旧官幣中社にして名神大社そして式内社と由緒ある神社(もとは金佐奈神社)である。御祭神は、天照大神、素盞嗚尊です。日本武尊が配祀されています。社伝によると、景行天皇の四十一年、日本武尊東征の帰途、東国鎮護のために、伊勢神宮の伯母である倭姫命から草薙剣に副えて、賜った火鑚金(火打石)を御霊代として、御室ヶ嶽に天照大神と素盞嗚命を祀ったのが創祀らしい。「金鑽」の社名は、社伝にあるように、火打石(火鑽金)が御魂代であることから起ったとする他に、金鑽=金砂と見る説がある。すると社名からして金山彦尊がご祭神だったのではと思う。近くには、蛭川という地名もあり出雲系の匂いがしてならない。
特徴は、なんといっても「拝殿」のみで「本殿」がないこと。参拝者はご神体である神奈備「御嶽山」を祝詞屋を通じて拝する。「本殿」を持たない旧官幣・国幣社は、奈良の大神神社・長野の諏訪大社とこの「金鑽神社」のみ。非常に静かで清々しい空気の神社であった。
参道には、重要文化財である「多宝塔」がある。ご神紋は「樫の葉」らしいが、みつけることができなかった。残念。